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催眠術の教科書を読んでみた【書評】

先日テレビでタレントが催眠術にかかるという企画があったが、本当にかかるものなのか見ている限りでは判別は付かなかった。かけられた人たちは、身の回りの人が裸に感じられたり、ティッシュを引き抜くだけで快感に身を悶えさせたりと、確かに異様な雰囲気は感じられたが・・・

 

催眠術ってどういうものなのか、超能力や霊能力みたいな怪しいものと違うのか、などなど気になったので「催眠術の教科書」を読んでみました。

 

催眠術の教科書

最短時間で催眠術が習得できるマニュアルに挑戦した書籍。それも生半可な技術ではなく、本物の催眠術がマスターできる。テレビで放映される催眠術は必ずかけ方の部分を隠しています。これは視聴者がかかってしまうことを心配しているのではなく、その隠された部分を見るだけで催眠術を身につけてしまう人がいるからです。それだけ催眠術はちょっとしたコツがわかれば誰でも簡単にできるものなのです。本書を読み進めることにより、しっかりとした基本から、相手が膝から崩れ落ちるような催眠まで順序よく身に付くようになっています。テレビなどでよく見かける「くっついた手が離れない」「足が硬直して歩けない」「レモンが桃の味に変わる」「自分の名前を思い出せない」「目の前の人が裸に見える」などの定番的なものをはじめ、一通りの催眠術が実践できるようになります。それは、催眠術が霊能力や超能力とは違い、科学に基づいた心理誘導だからです。

 

紹介文からしてすでに独特の文章だ。けれど、催眠術に対してある偏見を取り除こうとしている様子がはっきりと窺える。

目の前の人が裸に見える」僕が一番興味のある催眠術だ。可憐な女性にこの催眠術を掛けて恥じらっている姿を見るのもいいし、自分に掛けてもらえれば合法的に楽しむことができる。人混み溢れる街中に繰り出せば途端、世界が色づき始めるのは言うまでもないだろう。

 

けれど、残念ながら僕には催眠術を掛けさせてくれるような相手も、催眠術をかけてくれる相手もいない。無念である。

 

次に目次だ。

第1章 人はなぜ催眠にかかるのか?
第2章 暗示テクニックを身につける
第3章 催眠術をかけるための準備
第4章 催眠術のかけ方
第5章 より催眠を深めるために
第6章 成功率を上げるためのプロのテクニック

 

催眠術を身に着けるまでの流れをしっかりと順を追って説明しているように見える。うんうん、これで僕も立派な催眠術師になれるぞ!

 

もしかして怪しいんじゃないの?

催眠術師になる決心をしたばかりだが、実は僕にはかなりの防衛心がある。催眠術、こういうところに興味を持った人が怪しい世界に入っていってしまうのではないのだろうか。おかしな宗教団体に入り込まないためには、論理の飛躍がないことや、ある現象が現実的にあり得ることかどうかをしっかりと判断することが重要だ。

 

また、それ以前に著者は催眠術師となる自分の師にあたる人間だ。どういった人物か十分に知り、信頼する必要があるだろう。信頼関係が構築できていない師弟関係などありえないのだ。早速プロフィールを見てみよう。僕のことを知ってもらうのは後回しだ。

 

林 貞年(はやし さだとし)
Hayashi Sadatoshi
1964年、香川県生れ

※株式会社ニック代表取締役 社長
※催眠誘導研究所 所長
※催眠誘導研究会 会長
※婚前セラピー CEO

長年にわたる催眠の実績と労災病院勤務心理カウンセラー時代の経験を基に、独自の経営コンサルティングを発足。催眠心理を活用した経営コンサルティングは経営不振のショップから中小企業の業績アップに貢献している。

 

うーん・・・ちょっと怪しい・・かも・・・これだけを見ても僕には判別がつかない・・・ただ先入観だけで判断してはいけない。印象というのは往々にして誤っていることが多いし、本の内容が面白そうなのでともかく進めていこう。

 

催眠術ってなんだ?

というか、催眠術ってどういうものなんだ?これがはっきりしていないことには話は進まない。

 

催眠術【さいみんじゅつ】

催眠法ともいう。被験者を人工的に暗示にかかりやすくし,術者の与える暗示に極端に注意が集中する特殊な意識の状態(催眠状態)にさせる,特定の心理的または生理的な操作。

 

ふむふむ、どうやら催眠術とは、「相手を、自分の言うことを聞く状態に変える術」らしい。これで催眠術についてはわかったけれど、疑問が次々と出てくる。本当にそんな状態にすることができるのか、できるとすれば、なぜそんな状態になるのか。どうやってその状態に持ち込むのか、などなど。

 

本書を読みながら一つずつ見ていこう。

 

なぜ催眠状態になるのか

意識には頭で自覚できる「顕在意識」と自覚できない「潜在意識」の2種類が存在している。これをふまえた上で、下記引用部を読んで欲しい。

 

無意識をつかさどる部分は「古い脳皮質」といい、食欲、性欲、睡眠欲といった本能的な活動から喜怒哀楽のような感情的活動も受け持っています。いわば子供のような脳です。

一方、意識をつかさどる部分は「新しい脳皮質」といい、思考、知性、判断、など、理性的な活動を受け持っている大人のような脳といえるでしょう。

 

ふむふむ、「顕在意識=意識」と「潜在意識=無意識」を司る脳領域が分かれているということだ。

 

新しい脳皮質の活動を弱めることで、暗示をかけるときに邪魔になる、思考、知性、判断などの働きを抑えることができるのです。

 

1つ気になるのが、思考、知性、判断の働きが抑えられただけで、言うことを聞くようになってしまうのだろうか?ということだ。だとすれば、知性を持たず、考えることもできず、判断することができない動物がいた場合、なんでも言うことを聞くのだろうか?もっともそんな動物がいたとすれば、指示を理解することができないため催眠を掛けることができないだろうが。

 

ともかく、なんとなく、言いたいことはわかった。理性の働きが抑えられることで、与えられた指示に対し穿った見方をしたり、状況判断をすることができなくなり、指示をそのままに受け入れてしまう状態になるということらしい。

 

どうやって催眠状態にするのか

 先の引用部分でいうと、新しい脳皮質の働きを弱めることで催眠状態になるのだという。すると、新しい脳皮質の働きはどのようにすれば弱めることができるのだろうか。

 

どうやら本書は紙面の多くを催眠術の方法に割いているため、この部分に関しては僕にとってはわかりにくいものだったが、要は、

 

リラックスさせて、指示・命令を意識ではなく無意識に届けるということらしい。

 

だが、催眠術の種類やかけ方について詳細に書かれている。相手が催眠にかかりやすいか判別するためのチェック方法(1次的暗示性~3次的暗示性)や、相手に催眠を意識させる「基盤暗示」、催眠誘導をリードする「接続暗示」、催眠に導く「誘導暗示」など催眠について学ぶことができる。

 

特に、「第4章 催眠術のかけ方」では数多くの方法が紹介されている。

弛緩導入法・球体心象法・指先の接近法・色彩対比法・ヒプノ・ディスク・固定凝視法・眼球運動法・魅了法・神経疲労法・音響法・目隠し歩行法・観念運動法・後倒瞬間催眠法・驚愕法・回頭法・撫擦法・プラシーボ導入法・フラワー法・イメージ法・揺さぶり法・腕の浮上法・連続自動運動・痙攣法・逆算法

これだけの方法を身に着ければいっちょ前の催眠術師になれる気がする!

 

まさに催眠術の教科書といえるだろう。

 

催眠術師になりたい方だけでなく、催眠術について知ってみたいという方にもおすすめの一冊だ。

 

おわりに

今回、催眠術の原理やどのようにしてその状態にするか納得することはできなかったが、催眠術はセラピーなど医療分野でも行われている。科学的にも催眠状態というものは認められているようだし、ある程度信用してもいいのではないかなと思ったり思わなかったりしている。

記事中にも書いたけれど、残念ながら僕には催眠術をかける相手もかけてくれる相手もいない。今回身に着けた知識は単純に自己満足だ。ただ、仮に僕に催眠術をかけてくれる人さえいれば・・・いつでも待っています。

 

本記事が皆さんの催眠術ライフに役立てば幸いです。

 

催眠術と関連ありそうな宗教マニュアル読んでみました。

stockeizoku.hatenablog.com

 

ではさいなら!